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ばぁば 七話

[406]  レオン  2008-01-30投稿
ばぁば…
大っ嫌い。
昔も今も…
ケド大好きだった。


私は言葉が出なかった。

母は私の手を取って
「一緒に暮らしましょ」
と言ってきたけど、私は首を横に振った。

私は此処にいたかった…。


次の日、祖母の荷物の整理をした。
こうやって、荷物の整理をすると本当に祖母がいなくなったんだと、涙が溢れた。

「泣くんじゃないよ!」

祖母の声が一瞬聞こえた気がした。



中学3年生。
進路を決めなくてはいけない時期に、私は一つの決断をした。

高校進学はしない。

これが私の下した決断だった。

祖母へそれを告げると、険しい顔で一喝された。

「お前は何を考えてる!!金の心配してるのか!子供が金の心配すんな!勉強して偉くなってばぁばに早く恩返ししてくれよ!!」

その日から、バイトを辞めさせられ、私は受験勉強に励む事になった。

その分、祖母は前にも増して頑張った。毎週日曜は店が休みだったが、それも返上して働いた。



合格。


みごと地元の高校に受かった。

この時ばかりは、祖母は喜んでくれた。

「おめでとう!!ばぁば、安心したよ。」

嬉しかった。
嬉しくて嬉しくて、祖母が喜んでくれたのが嬉しくて、私は泣いていた。

「泣くんじゃないよ」

祖母は笑いながら言った。

こんな穏やかな日々がずっと続く気がしてた。
早く祖母に恩返ししたい気持ちで一杯だった。

〜八話へ続く〜

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