不可抗力(絶対の力3)
ゆっくりと顔を上げ、立ち上がると…彼が入ってきたドアのほうを見た、スロ−でそこに向かって歩いていく………ドアノブを回す……開けるとすずしい風を感じる、男は思う……こんな風を感じたのはいつぶりだろうか? そして…男はおもむろにまぶたを開き目の前の景色をを見た…………俺のアパートの向かいに家があった…いつもこの時間は家に明かりがついていてシチューやカレ−の匂いがここまで漂ってくるでも今はそんな匂い代わりに焦げ臭い匂いが…する…人の腐る匂いがする…目の前に広がるのは、水の溜まっている道、そこに無言で浮かぶ人々、遠くの方を見ると火が燃えている………燃やすものももう…ないのに…火は確実にこっちに向かっていた、「あと、5時間…ぐらいか…」
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