KISARAの恋[13]
「私ね、桜木くんに言ったの。何でそんなことを急に言うん?って。」
「見てる目が違う。って。で、気が付いたんやけど。」
どうやら、桜木の言う通りらしいと、貴更は気が付いてしまった。桜木は要領が良くて人のしてることは良く見てる。でも、キャラとしては適当な感じだが、案外、見る目はある方なのだ。
貴更は、もし、奈緒が自分に好きだと告白したら返事ができないと思うと、とにかく、この状況を何とかしなくてはと考え始めた。
「ちょっと待って。飯でも食いに行くか?その方がゆっくり話できるし…。」
車の中という動く個室での重たい空気に耐えられなくなって貴更は思わず口にした。
「あ、う…ん。でも、時間大丈夫?」
「気にすんな、大丈夫やし。どこがええかな?」
「私、いい店知ってる。パスタ大丈夫?小さな店だけど。」
「あ、いいね。」
場所を聞いた貴更は車を再び走らせた。店はそんなに遠くなかったが、一切会話のない車中での時間はやたら長かった。
店に着いても、2人は無言だった。オーダーだけして、貴更はどう切り出すかを考えていた。
思い切って、口にした言葉は実に滑稽だった。奈緒の目を見てこう言った。
「で…」
「ははは、で。って。」奈緒が笑っていた。
もう、ほとんど、話が終わっているからなのか、奈緒は少し落ち着いていた気がした。
「顔がマジ過ぎるって。」
「あ、あぁ。」
「まぁ、真面目な話なんだけどね。さっきほとんど話しちゃったから。でも、ちゃんとしないとね。」
いよいよか、と貴更の胸の鼓動は高まった。
「まぁ、桜木くんの言う通りなの…。気が付いたのは言われたからだけど。」
「それって、俺のこと…好きってことなん?」
「……。」奈緒は目を少しだけ逸らして、ゆっくり頷いた。貴更もまた、返す言葉もなかった。
――パスタが運ばれてきた。
「とりあえず、食おうよ。」貴更は精一杯の言葉を奈緒に向けた。
「見てる目が違う。って。で、気が付いたんやけど。」
どうやら、桜木の言う通りらしいと、貴更は気が付いてしまった。桜木は要領が良くて人のしてることは良く見てる。でも、キャラとしては適当な感じだが、案外、見る目はある方なのだ。
貴更は、もし、奈緒が自分に好きだと告白したら返事ができないと思うと、とにかく、この状況を何とかしなくてはと考え始めた。
「ちょっと待って。飯でも食いに行くか?その方がゆっくり話できるし…。」
車の中という動く個室での重たい空気に耐えられなくなって貴更は思わず口にした。
「あ、う…ん。でも、時間大丈夫?」
「気にすんな、大丈夫やし。どこがええかな?」
「私、いい店知ってる。パスタ大丈夫?小さな店だけど。」
「あ、いいね。」
場所を聞いた貴更は車を再び走らせた。店はそんなに遠くなかったが、一切会話のない車中での時間はやたら長かった。
店に着いても、2人は無言だった。オーダーだけして、貴更はどう切り出すかを考えていた。
思い切って、口にした言葉は実に滑稽だった。奈緒の目を見てこう言った。
「で…」
「ははは、で。って。」奈緒が笑っていた。
もう、ほとんど、話が終わっているからなのか、奈緒は少し落ち着いていた気がした。
「顔がマジ過ぎるって。」
「あ、あぁ。」
「まぁ、真面目な話なんだけどね。さっきほとんど話しちゃったから。でも、ちゃんとしないとね。」
いよいよか、と貴更の胸の鼓動は高まった。
「まぁ、桜木くんの言う通りなの…。気が付いたのは言われたからだけど。」
「それって、俺のこと…好きってことなん?」
「……。」奈緒は目を少しだけ逸らして、ゆっくり頷いた。貴更もまた、返す言葉もなかった。
――パスタが運ばれてきた。
「とりあえず、食おうよ。」貴更は精一杯の言葉を奈緒に向けた。
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