携帯小説!(PC版)

トップページ >> その他 >> 誰が為の自分

誰が為の自分

[211]  空色  2008-02-01投稿
何の為に、自分は、この世に生を受けたのか。考えてもみませんでした。
彼が、空から降って来るまでは。
アニメや映画の様な、ファンタジーではなく、実際に降って来たんですよ。
飛び降り自殺ってヤツかな?
「危ない」って、誰かの声がして。
あの日から、今日まで、覚えているのは、そのワンシーンだけ。
目が覚めた。俺は、ベッドの上で、両親が、やたら喜んでるのが、ウザかったっけ…
怪我も大分良くなり、精神的にも落ち着いた頃、飛び降りたヤツが「生きてる」って聞いて「文句を言ってやろう」と、そいつの病室のドアを開けたんだ。その時に、始まったんだろうな。誰の為の自分?って、人生が。
たまたま、下を通りかかった、俺がクッション代わりになって、一命を取り留めたそいつは、命はあったものの、脳死状態に陥ったらしい。そいつの親御さんが、泣きながら、申し訳なさそうに、息子の命がある事を喜ぶ気持ちを抑え、繰り返し何度も謝っていたのが印象的だった。
そいつは、全身をチューブに繋がれ、ピクリともせず、生きてるのがやっとって感じで。
哀れみかな?怒る気もなくなって…
ただ、一つだけ、「何故、死にたくなったのか?」それだけを、聞いてみたくて…
でも、そいつが、その問いに、答る事は出来ない…はずが…
聞こえたんだ。弱々しい声で「ごめん」って。
周りは、驚いた様子も、気付いた様子もない。
俺だけに聞こえる声…

感想

感想はありません。

「 空色 」の携帯小説

その他の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス