携帯小説!(PC版)

青空

[442]  tomio  2008-02-01投稿
君に訊ねています。

生きたいと思いながら
死んでゆく人たちとか。
死にたいと思いながら
生きてゆく人たち。
どちらが、どれほど、
不幸なのかと。

死ぬことは怖くない
君は確かに、そう言いました。
不意に後ろから刺されるよりは、
自ら飛び込み、本望なのと。

なんという我が儘な言いぐさでしょう。
なんという愛のない決断でしょうか。

しかし、もはや、すでに。
尖ったモノを取り上げたり。
単に君を閉じ込めたとしても、
きっと君は、絶望に染まり、
見えない扉を開けてしまう。
君は実に意志の堅い、不器用な人でしたから。
黙って独り、頷いて、
君は君を殺すのでしょう。
私が私にしたように。

ねぇ、人はなぜ、
喪失の裏側でしか、
涙を流せないのでしょう。
ねぇ、どうして私は、あのとき私を殺したのでしょう。
嗚呼なぜ生きて、君の隣にいないのだろう。
私は今さら、君に訊ねています。


こんな日に限って、
空には雲ひとつ見当たりません。

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