携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> 断章奇談-メビウスの呼んだ密室-

断章奇談-メビウスの呼んだ密室-

[399]  雪白-SnowWhite-  2008-02-03投稿
-序章-
雨が降っていた、酷く陰鬱な。窓に流れる水滴が蟲のようだと少女は思った。焔に焼かれ苦しみ這い回る幼虫。
窓に映る自分の顔の表面を幼虫が這っている。
そんな想像をして、背筋が寒くなる。
ふいに窓に映っている自分の背後で、人影が動いたような気がして振り返る。
しかし、そこにあったのは、部屋を包む暗い闇と、並べられた数体のフランス人形だった。もちろん人影などない。
どうしてだろう、この部屋に置かれている全ての物から殺意を感じる。
部屋を包む闇からも、
壁に飾った絵画からも、
並んだ人形達からも。
動いたのは…この人形なのだろうか?


-第一章-

『昨日からの雪で、校内にあるプレハブ教室へと続く渡り廊下は白い雪に覆われていた。
死体が発見されたのは、校舎から離れて建てられた3年3組のプレハブ教室だった。
死亡していたのは、このクラスの担任の林野薫、37歳である。理科教師で、生徒からはそれなりに信頼があった。
死因は首に巻き付いた革紐で絞められたことによる窒息死で、事件当時プレハブ教室の周りには、林野のものと思われる足跡と第一発見者の生徒のものしか残されていなかった。
「密室事件ですね。事件当事、皆さんは何をしておられましたか?」
刑事の行った事情聴取によると、その時間、学校内にいた人間は皆バラバラに行動しており、誰一人として他人のアリバイを証明することは出来なかった。
事件があった時間は、部活動も終わっており、校内にいた人間は仕事の残っている教師3名と、部活動の後始末をしていた生徒4名の計7名であった。
生前の林野と最後に会話したのは、生徒会のことで林野と一緒に教質に入り、5分後に校舎に戻った生徒会長だった。
陸上部の部長である生徒は、その時間はグランドに積もった雪を除雪していた。
バスケ部の部長は、体育館で明日の練習試合に向け、一人練習をしていた。
パソコン部の副部長は、風邪で休んだ部長に代わり、明日の準備をしていた。
教師3名は、それぞれの教室で明日の授業の準備に追われ残業していた。
プレハブ教室の見える2階の位置に2年2組があり、そこから反対の位置に音楽室がある。そして1階にある、プレハブから一番遠い1年3組。

感想

感想はありません。

「 雪白-SnowWhite- 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス