携帯小説!(PC版)

A.Uへ

[94]  k  2008-02-05投稿
私はあの人を許さない…。

きっと命が消えかかる時
彼のことをふと思い出し
憎みながら消えてしまう。

あれは もう十年以上も前 ほのかに恋心が芽生えた人がいた。

彼は既婚者で私に対しては妹のように接し 私も悟られないように兄のように慕っていた…。

会社の帰りに よく二人で出掛けることが多くなり そのうち休みの日まで会うようになった。

私の気持ちは押さえられないくらいだった…

そんな日が度重なり桜がもうそろそろ咲きそうな頃、お互いに好きな気持ちが判り付き合うようになった。

夢を見てるような感覚だった。
毎日が楽しかった。
でも そんな日は長くは続かなかった。

半年後 彼は協議離婚をする
ことになり 私と別れると切り
出した…。一方的に…。
普通 そういう状況になれば
大半の女性は自分と結婚して
くれるだろうって考えるだろう…。
彼は違った…。
まるで人が変わったように
私に冷たい仕打ちをしたので
ある。

一切こっちからの連絡は避け
仕舞いには『敵だの鬼だの』
呼ばわれされた。
ズタズタだった…。何もかも。
私も何かに取り付かれたかの
ように彼に嫌がらせをするようになってしまった。

それから彼は私の前から消え
私の気持ちも治まりかけた二年後の夏、彼の再婚話を聞いてしまった。

三ヶ月後 彼は私の部署に転勤してきたのだ。
皮肉な運命なんだろう…。

知りたくないことまで耳に入り地獄絵巻のような日々だった。そして彼に子供が出来ることを知ってしまった瞬間…私は彼への復讐心が募った…。
同じ職場の間は我慢してた。

彼が消えてから私の復讐は始まったのだ…。
何故 彼だけが幸せになり私が不幸なのかが どうしても納得がいかなかった。散々傷付けられて…。

でも ある日 ふと彼とバッタリ会った時 私の心にこれまでになかった感情が湧いた。
『何故こんな人を好きになったのだろう』って…。
不思議な感情だった。
一気に自分の気持ちから 吹っ切れた。

別れてから十年以上経ち お互いにすれ違っても言葉交わすことなく視線を合わせないで今も過ごしている。

私はまだ独り身である。
彼に対しての愛情は全く感じない。
ただ憎しみだけは消えることなく…。

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