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LASTSUMMER#44 『悩んだサイン』

[447]  SETTARMEN  2008-02-08投稿
【2回表1死1、2塁】



俺の2ベースとキョウスケの粘りの四球で1ナウト1、2塁とチャンスをつくった。



相手捕手、雪村の声がピンチの天豪三中ナインを激励する。



雪村『まだ2点差だ!!ここは1つずつしっかりとってけばいい!!いいかぁ!?』



天豪三中ナインも気合いを入れる。



天豪三『おう〜!!』



打席に立つのは久々のスタメン、9番丸山圭太。


タク『ケイタかぁ…ここで結果出してくれよ〜』



ユウ君『久しぶりのスタメン出し、なんとか結果ほしいね』



ベンチの曽我端は悩んでいた…

(ケイタかぁ…下手に凡打なら簡単にゲッツーだな…だったら…)



曽我端の手が動いた。



2塁上の俺、1塁上のキョウスケ、そしてバッターボックスのケイタが曽我端さんの出したサインを見た。


!!!



(送りバント!!!)



ケイタが少し驚いた顔をしたが、ヘルメットのつばを掴み、『了解』のサインを返した。



さて、ここが勝負の別れ際だっ!!



初回のバントミスも考えると、ここでのミスは許されない…



矢沢がセットに入る。



首だけ後ろに傾け、2塁にいる俺を気にするそぶりを見せたが、そのまま投球動作に入った。



俺は広めのリードをとった!!



ビュン!!!



コンッ!!



カズマ『上手いっ!!』



ケイタはピッチャーとファーストのちょうど中間あたりにプッシュバントをした!!



球が転がった瞬間、俺とキョウスケは全力で次の塁に向かう!!



相手の司令塔、捕手の雪村は
『辻村!!ファーストだっ!!』
と叫んだ。



セカンドの辻村がダッシュでボールを拾い上げる!



ケイタの足も速い!!


しかし…



『アウトっ!』



ジャッジはアウト!

拾った瞬間、セカンドの辻村はプロ顔負けのランニングスローを見せた!


セカンドの好プレーに藤城ベンチは驚いたが、何はともあれ、ケイタのナイスバントで俺達は2アウトながらも2、3塁としたのだった!!

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