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山登り

[288]  もね  2008-02-09投稿
山を登る
不思議な山
鬱蒼とした緑の森
私を険しい道へと誘う
その森が途切れた時眼前に広がる岩肌
一面に岩高蘭の紫
野原が広がる
苦しい暑い
丁度いい岩
座っちゃった
乾いた喉を紫の果実が潤す
ちょっと幸せ
脇腹痛い
頂上はまだまだ
みんな先行っちゃった
でも私のペースで
行ってみるかな
何故か私と同じペースの男性
一緒に生きましょうか
甘い実を摘みましょうか
笑いましょうか
ゼイゼイしますか
崖では手を
引いてくれますか
いつのまにか
二人で歩いてく
あなたも遅いけど
私は導かれ
しっかり歩いてる
そのうち周囲に
甘い実は無くなって
硫黄の香る岩肌が続く
私とあなたに言葉は無くなる
段々と頂上に近付く
沢山の先人達の
不思議な石の塔
頂上に着いた
でも頂上には
何も無かった!
でもそこには
先行っちゃった
仲間達が
笑って待っていた
彼は照れくさそうに
私の手を放す
後ろを振り向くと
遥か彼方
気が遠くなる程
遥か眼下に
私が登った道が見える
鬱蒼とした森
広大な岩高蘭の野原
時には辛く
時には甘かった
時には笑って
時には手を引かれた
楽しそうに仲間と話す彼
なんか言えないけどありがとね


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