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友達のまま君に恋をする…?

[366]  なお  2008-02-10投稿

「ねぇー…翔ちゃん!」


「んぁ?」


話しかけてきたのは、幼なじみの沙恵。昔から、仲が良くて、腐れ縁から、高校まで一緒だ。


「あのさ…相談があるんだけど……」


「………相談?」


沙恵は、昔からしっかり者で、お姉さんのような存在だった。そんな沙恵から、真面目な相談を受けるのは、初めてかもしれない。


「んじゃ、放課後、屋上きて?」


「…?………おぅ」


俯いて、沙恵は走り去っていった。

俺はその後ろ姿を、見送ることしかできなかった。


---------


「………沙恵?」


放課後、沙恵に言われたように、屋上まで来た。沙恵も、すでに来ていたみたいだ。


「翔ちゃん!ありがとうね!来てくれて…」

「いいけど…なんだよ…?相談って…」


「あぁ…あのさ…














緑川君って…好きな人いるのかな?」















背筋が凍ったように、動かなかった。冷たさは、背筋からじわじわと伝って、俺は、氷と化した。


「緑川……?」


「翔ちゃん、同じ陸上部だよね?知ってるかなって思って…」

「あぁ…わり…わかんねーわ…」


言葉が上手く紡げない。動かすことができない。

「そっか…」


「そんだけか?用は…俺、行くな。」


それしか言えず、俺は屋上を立ち去ろうとした。

すると、後ろから…

「あのね…!私、緑川君のこと、もっと知りたいの!…ちょっとずつでいいの…ねぇ?」



バカやろう…



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