携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> バスターズ!・第十九話「親友」

バスターズ!・第十九話「親友」

[601]  博上 文  2005-10-24投稿
咲坂からの電話から数日が経ってもヘタレ呼ばわれされた龍一は、少しイライラしていた。
(フン!何とでも言いやがれ・・・化け物と戦うなんて真っ平ごめんだ!)
学校の昼休みの時間になっても龍一は気分は晴れず、自分の席で頬杖をついていた。
「シケた顔してんなぁ、リュウ。」
同じクラスの男子、アキラが龍一に声を掛けた。
「アキラか・・・」
神内 明(かみうち あきら)。龍一とは中学の時からの仲でなにかと馬が合い、今では親友と呼べる男だ。
「最近ずっとそんな顔してるよ、お前。」
少し心配そうな顔をして、アキラは言った。
「ああ・・・まぁな。」
龍一は適当にあしらおうとした。
「・・・お前最近ヤな事あったろ。」
「・・・なんでそう思うんだよ?」
図星を突かれた龍一は不思議そうにアキラを見た。
「お前は不機嫌なとき、よく頬杖をつく。」
「・・・よく見てんなぁ、お前。」
「相談ならいつでものるぞ?」
アキラは昔から人の面倒見がよかった。困った奴を見かけては相談に乗り、そいつに今の自分にできる最大限の努力を惜しまないような奴だった。そんなアキラに、龍一は少し考えて言った。
「相談じゃないけど・・・めっちゃくっちゃ危なくて見返りのない仕事頼まれたら、お前どうする?」
問い掛けに対してアキラは腕を組んで考えた。
「そうだなぁ、普通なら断る・・・」
「だろ?」
「でも・・・やらなきゃ誰かが困るってんなら、俺はやるぜ。」
アキラは笑いながらはっきりと答えた。
「お前はどこまでお人好しなんだか・・・もういいよ、ほら、昼休み終わるぜ?」
時計を見ると、昼休み終了三分前まで針が進んでいた。
「あっ、ホントだ。じゃな!」
そう言うとアキラは小走りで自分の席に戻った。
(やらなきゃ誰かが困るなら・・・か。フッ・・・あいつらしいや。)
少し笑いながら、龍一は頬杖をつくのをやめた。

感想

感想はありません。

「 博上 文 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス