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学校の屋上の警察署 ―天子5―

[426]  堀キコ  2008-02-10投稿
「おわっ!!」
佐藤が天狐じいごと草むらに隠れた。
「おいっ!佐藤なんっ!」佐藤が天狐じいの口を塞ぎ、発言を遮った。
佐藤が冷や汗をかきながら指差した。
天狐じいが指差した方を見た。
「!!!!!!」
大天狗がいた。
赤い肌に長い鼻、手にはうちわを持ち、背中には白い翼が生えていた。
大天狗の隣には青行灯という鬼がいた。
青い灯を燈しながら大天狗の隣を歩いて、何かを話していた。

「ほう、天子が若い娘を連れて来たと?」
大天狗が青行灯に尋ねた。
「はいっ、天子が若い娘を連れて洞穴に入って行くのをみました。」
青行灯が答えた。

「それは、久しぶりに良い若者を食えるの〜」
大天狗がニヤつきながら言った。
佐藤と天狐じいは顔を見合わせ、焦った。
「もうすぐで天子の洞穴に着きます。」

「おいっどうする気だ?」天狐じいが小声で聞いた。すると佐藤は一つの魔玉を口に入れ、
「俺があいつらを足止めするから、真奈を助けに行ってくれ。」
そして佐藤は草むらを出て魔玉を噛み砕き、
「ガジェン、、、」
小声でそう言って光り輝いた。
大天狗と青行灯はすぐに気付き、振り返った。
そして、天狐じいが走り抜ける。

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