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essay

[114]  茜さくら  2008-02-10投稿
私たちはお互いの家のちょうど中間地点と思われる駅で待ち合わせをした。

彼が車を出してくれて、二人でお台場へ行った。

私が高速道路と橋をが好きだと言うと、彼はわざわざそのために遠回りをしてくれた。

私たちはあまり話さなかった。

私はずっと黙って窓に映る彼の顔をうかがっていた。

ドライブを楽しんだあとお台場のゲームセンターで遊んだ。

柄にもなく彼に誘われてプリクラをとった。

一緒に観覧車にも乗った。

デートらしいデートだったと思う。


そして帰り道のドライブでは、お互いの彼氏彼女の話しをした。


私たちは二人とも自分のパートナーに不満を持っていることでなんだか意気投合した。


この時点で明らかにお互いに好意を持っていたけど、これ以上の関係になってもいいものかわからなかった。


私たちはその後も何度かデートを重ねた。


いままでの彼氏とも別れた。

そしてこの彼も彼女と別れた。


会うたびに彼は車でわざわざ遠回りをして高速道路を使って、橋を通って、いろいろなところへ連れて行ってくれた。


時々手を繋ぐこともあった。


たぶん彼は私と付き合いたいんだと思った。


でも私の方は、デートを重ねるうちに彼とはいいともだちになれる気がしてきていた。


彼のことをすごくイイヤツだと思った。

もしここで付き合ってしまって、これまでの彼氏みたいにいつか別れることになったらきっともう会えなくなってしまう。


いいともだちになれるかもしれないのに。


これまで別れた彼氏とはほとんど一切の連絡を断って来た私は、別れたあとにいいともだちになれる方法を知らなかった。


いまでも知らない。


彼のことを好きだけど、お付き合いをする方が彼との関係を短いものにしてしまう気がした。


私は将来彼との交流がなくなるのを少し怖れていた。


こんな友達が欲しいと思っていた。


迷いながらいつも車の助手席では、窓に映る彼の顔をうかがっていた。

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