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アイツ

[260]  アタシ  2006-04-20投稿
アイツと歩いた道を何故か歩いる。
いつも居たはずのアイツがいない。もうアイツは居ないんだ……。
私は歩く。
ただ
ただ
いつもの道を……。
そこにはいつもの海がある。
二人で何もない現実からこの海に良く逃げてきてたっけ……。
いつも甘えたり甘えられたり。
時には喧嘩もしたよね。いつもアイツがあたしに謝っていた。
そんなアイツはもう居ない。
海風が優しく私の頭をなでた。
まるでアイツのように優しく……。
私は歩く。
二人で行った空き地……。まだ付き合ったばっかりだったっけ……。
寒かったよね。
手の大きさ比べながらアイツは暖かい手で優しくアタシの冷えた手を初めて握ってくれた……。
あの温もりはもうない……。
私は歩く。
初めて二人で来た公園。アイツが初めて抱きしめてくれた公園。
アタシのこといつも考えてくれてたね……。
アタシが泣いたら優しくギューって……。
アイツと初めてチューした公園。
ドキドキしたなぁ……。すごく嬉しかった……。アタシが落ち込んだときは雨の中待っててくれたよね……。
何も言わず抱きしめてくれたよね……。
あんなこと言わなければ良かった。やっぱりアイツは居ない……。本当は今も大好きだよ……。

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