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[270]  成島パンナ  2008-02-12投稿
巷で噂のウェブログ。
通称、ブログ。

私、木之内まゆかも、そのブロガーの一人。

今までは好きな人のことを主に書いていたけれど、閲覧数が徐々に増えているのを見て、もう少し工夫が必要だと思っていた。





「まあーっ、ご飯だよー」

母が呼ぶ声がする。
“まゆか”の“ま”を取って“まあ”と呼ばれている。

「はいはい」

今もブログの更新中だった。
携帯を持って、夕食の待つダイニングへ。

がらがら、とふすまをあけると、私を待っていたのは食事だけではなかった。

父だ。

「……手伝いはいいのか」

勝手に手を合わせて箸を持った私に、彼は言った。
私はこの人が、大嫌いだ。
乱暴だし、暴力振るうし、変に子どもっぽいから。

「うん」

ふと食卓を見ると、私のおかずよりも明らかに父のつまみなどの方が少ない。
さっき両親が大声で叫び合っていたことから察すると、料理が冷たいから温め直せ、もしくは作れといった所だろう。

「…うま」

すると母が入ってきた。

「これうまいよ」

と私が言うと、彼女は

「そ?」

と言って父の前にハンバーグを乱暴においた。

「なんだその態度は」

父が声を荒げた。
私はいつものことながら驚き、小さな心臓と私の身体は、がたがた震えだした。
母はそそくさと台所に戻っていった。

私も何かが起きる前に自分の部屋に戻ろうと思って、食事をすぐに終えて二階へ上った。

その直後下からは父の異常な声と、母の悲鳴もどきが聞こえた。



最近両親の間で、こういうことが増えていた。

私はいつだって逃げ出したい気持ちでいっぱいで、手を差し伸べてくれる誰かを求めていた。
あらゆる危険から護ってくれる誰かに現れて欲しかった。

こんなことになると予期していれば、そんな優しい人間は不要であったのだ。





神様、
こんな我が儘な私を許してくれますか?

スミ。こんな私を今でも、
愛していると
言ってくれますか?

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