暗黒精神世界
暗黒世界 そこは三次元空間で成り立った精神世界 僕は少なくともそこに一年ほど居た 周りを見渡しても果てしなく地平線に続く暗闇があるだけ 音もなく太陽の光も注さない 月の光もだ 寒さと孤独と不安と哀しみが支配する世界 ただただ未来という不確かな光を信じて生きていく 死ぬ事さえ許されない世界 死を選んだ者は寒さと孤独と不安と哀しみから開放された無の世界へ飛び立つ 僕は居場所を捜して暗黒世界を登り続けた どれほど登ったか 目の前には小さな光から手が延びている その手をしっかり握った しかしその手は開いたままだ 温かさは感じた 初めて感じた これが人間の心の温かさだったのか 光の先から声が聞こえた 好きだよ しっかりそう聞こえた 可愛い声だった しかし少しの時がたって また声が聞こえた さようなら 僕はゆっくりとしかししっかりと手を離した 暗黒世界へ行ってきます
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