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処刑生徒会長第五話・3

[746]  まっかつ  2008-02-13投稿
西暦20ΧΧ年・東京都Z区立第一中学校―\r

『くくくっ…ふふっ…ふあっははは、終りだ!』

生徒会長室では、カーペットに膝まづいて一人の男子生徒が狂笑していた。

涙を流しながら―\r

第一中学校生徒会長太田カツヒロだ。

『そうさ。おれはハメられたんだ。梅城ケンヤに―ひひひ』

名ばかりの生徒会長―\r

お飾りだけの植民地の主―\r

彼は先日梅城ケンヤの命令に従って、自分の女子生徒三人を《いけにえ》に差し出したばかりだ。


『そうさ―してやられたのさ―俺は馬鹿だ!生徒会長にしてやるとの甘言を真に受けて今は―このザマだ―ははっ』

太田カツヒロは当然ながら自己嫌悪に苦しんだ。

だが―手遅れだ。

『俺は卑怯者だ!例えイジメグループでも自校の生徒を見捨てたのだからな―他者の利益のために!』

そうだ。

梅城ケンヤは口実が欲しかったのだ。

校内全体、ひいては改革派同盟を取りまとめ、大規模な戦争を引き起こすための大義名分が―\r

太田カツヒロはそれに加担した。

より正確にはそうする様に強制されたのだ。

『俺は―俺は共犯者だ―勝っても負けても大勢の生徒が死ぬ!くくく…もうこれで―日本屈指の犯罪者確定だ!もうまともな人生は―生きられないさ!!!あはは…あっはは!!あーっはっはっは!!!』

立ち上がり、頭を抱えながら哄笑する太田カツヒロの背後で、雷鳴が轟く。

曇空は一転、夕立と化し荒れに荒れた―\r









『太田会長―第三中学校では生徒総会が始まりました』

そこへ、多機能ゴーグルをかけたまんまの副会長・エウフセラ=ナールマンが入って来た。

そうだ―\r

もう後には引けない―\r

今逃げたら俺は裏切り者だ。

生徒会長の地位を失う。

この学校は討伐される。

そして何より―俺の命が危ない。

『エウフセラ―ここの会長は誰だ?』

『それは貴方です。太田会長』

副会長の素っ気ない返答に、しかし太田カツヒロは別な何かを見い出し、満足気ににやついた。

そうだよ。

俺は卑怯者だ。

卑屈な男だ。

汚く愚かで、しかも欲深いと来たもんだ。

しかも、我が身が可愛くて仕方がない。

だったら―\r

徹底的につらいぬいてやろうじゃないか!

太田カツヒロが会長卓に座ると、深まる暗闇の中、雷光が鮮烈にきらめいた。

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