あれから、スロウな時間が流れていった。私は、佐伯君といることで、寂しさを紛らわそうとしていた。

一人でいると、悲しみを思い出してしまう……

杉本君………


｢なんか…教室、暗いね…カーテンあけよっか？｣


｢あぁ、そうだな…じゃあ頼む。｣


｢はぁい☆｣


私が教室のカーテンを開けたら、目の前には、広々した校庭があった。


校庭に、部活をしている気配はなく、私の目は自然に人気のあった校門の方向に移った。

移ってしまった…



｢………！｣


校門には、幸せそうにキスをしているカップルがいて…見覚えのある顔だった…

杉本君と香奈恵…


私は、思わずカーテンを閉じた。勢いよく音が鳴った。


｢……どうし｢忘れてた…水曜日は部活無いんだっけ…｣


佐伯君の不思議そうにこっちを見る目が悲しかった。私は、静かに涙を落とした。


｢川崎………？｣


｢…っっ……｣


私は、体の力が抜けて、ヘナヘナと床に座り込んだ。


｢なんでだろぉ…昔っからタイミングだけは良いんだぁ…私…なんでっ……｣


ギュッ……


佐伯君が、私を優しく抱きしめてくれていた。それによって私の言葉は、遮られた。


｢何かあった…？｣


きっと佐伯君の精一杯。私は、心をゆだねた…途絶えることを知らない涙とともに………

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