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LASTSUMMER#51 『非力でも…』

[461]  SETTARMEN  2008-02-16投稿
【3回表】


2回裏三者凡退で抑えて俺達は3回の攻撃に入った。



曽我端さんがベンチに集まったナインに檄を飛ばした。



曽我端『いいか?お前ら!守備でいい流れもってきたからこの回一気に逆転するぞ!!』



全員『はいっ!!』



マウンド上には変わらず2年の矢沢。



この回先頭は2番のユウ君。



小柄なユウ君に対して捕手、雪村が
『外野〜!前だ!』


と前進シフトをとった。


確かにユウ君には妥当な策だろう…



主審『プレイ!』



矢沢がユウ君に対して1球目を放った。



『ボール!!』



カーブが低めに外れる。


続く2球目、3球目も変化球だったが、ストライクが入らない。



カウント0-3。


雪村『矢沢〜!落ち着け!しっかり入れてこい!』



次の球は外に決まったが、小柄なユウ君にはストライクが入りずらいようだった。



カウントは1-3となってユウ君に対しての5球目。



ユウ君(ここだな…)



ビュン!!




カキーン!!




緩い変化球をレフトライン際に引っ張った。



サード近藤が飛び込む!しかし打球はその横を抜けていった!



三塁塁審が
『フェア!!』

と叫んだ。



レフト市川が前進していた為、打球に追いつくのが遅れる。



ユウ君が1塁を蹴る。



市川がようやく追いついた。



ユウ君は2塁でストップ。


ユウ君(やった!前進守備を抜いた!)



小柄なユウ君にしては珍しい長打だった!



俺達のベンチは沸いた!!



アキ『いいぞ!ユウ君!』



カズマ『ナイバッティン!!』



これでノーアウト2塁。



雪村(前進守備が仇になったか…くそっ!)



捕手雪村は焦っていた…安全パイと思っていた2番白石に予想外の長打を浴びてしまったからだ…


そしてマウンド上の矢沢はもっと焦っていた…



打席には3番、滝本龍夜が入ろうとしていた…

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