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窓越しの笑顔 飛び降り

[636]  レオン  2008-02-16投稿
遠回りをして帰る様になってから一ヵ月。
あのおじさんの事も薄れかけていた頃に、私はどうしてもあのアパートの前を通って帰らなくてはいけなくなった。

7時20分に大切な荷物が届く事になっている。20分まで後5分。遠回りの道では到底間に合わない。

仕方なくアパートの前を通る事にした。
なるべく窓の方を見ない様に…。

「お〜い!待ってよ!今行くよ」
おじさんの声だ怖い!!!

恐る恐るおじさんの様子を伺おうと窓を見ると、おじさんは笑いながら窓から体を乗り出している。

おじさんの部屋は3階。
あそこから落ちたらたぶん…
そう思っていると、おじさんは笑顔で手を振りながら飛び降りた。

ボフッ

鈍い音が塀の向うでした。

私は唖然としていた。
落ちた格好から見て、多分頭から落ちた…。

鈍い物音を聞き付けてか、おじさんの部屋に明かりがつき、家族と思われる人影が見えた。

ヤバイ?

私は何故か罪悪感を感じて逃げる様にその場を離れた。


私は早く忘れ様としたが、あんなショッキングな映像を忘れられるはずもなく、変な罪悪感とで食事も出来なくなった。
私は一週間後、おじさんのアパートへ行き、家族の方々へ自分の見た一部始終を伝え、線香をあげさせて貰おうと決めた。

そうする事で罪悪感から開放される気がしたから。

そしておじさんのアパートの前まで行き、おじさんの部屋の窓を見上げた。

そこには居るはずのない人が笑顔で手を振っていた。

おじさん…?

だって絶対に有り得ない。
あの落ち方とあの音からしておじさんは…?

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