えんじぇる☆?
「これ…直くんにだけ言うんだからね…?」
「わかってるって。で、何…?」
「藤峰くんって、好きな人いるのかな…いないんだったら頑張りたいんだけど…」
「藤峰かぁー…大丈夫だよ…美咲なら。頑張れよ。」
「本当に?……ありがと!」
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「何やってんだろ…俺…」
屋上で、一人ため息をつく。
誰もいない屋上は、俺の唯一安らげる場所だ。
「藤峰かぁー…やっぱアイツモテるんだよなぁ……」
好きだったんだ。美咲のことが。
美咲が、最近俺によく話しかけてくるようになった。
だけど、ついさっきの会話で、そのすべてが、藤峰のためのものだったと思い知らされる。
「……………なに泣いてんだろ、だっせー…俺…」
気づけば、あたたかい涙がながれていた。無意識のうちだったので、拭いもせず、涙は、地面にはかなく落ちた。
「……………」
黙るしかできない。誰かにこの思いを話せば、楽になる…?けど、こんな思い誰にも……
そう、思っていたところに…
「あれ?直くん…?」
「………ん?」
えんじぇるが、現れたんだ…
「どしたの…?そんな悲しそうな顔して……」
「うっせぇな…見りゃわかんだろ?落ち込んでんだよ…」
「ははーん…さては失恋ですね…?」
「……んなストレートに言う奴があるか。」
「ごめーん……」
俺はまだ気づいていない。彼女…相葉 芽衣(メイ)こそが、おれの本当のえんじぇるになることを…
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