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I Can Sing a Song

[373]  レオン  2008-02-18投稿
Every Day
Every Nignt
ずっと側で
同じ景色を見てたいよ


そんな詩を書いて
私は歌った。


貴方への気持ちを
素直に伝えられなかった想いを
「歌」という形で私は貴方に届けようとしたんだ。


土曜のclubは若者達で混合い、貴方の姿を見つける事は出来なかったけど、この煙るフロアーの何処かに貴方が居る気がしていた。

私はオレンジの光を浴びてステージに立つ。沢山の歓声も流れるトラックも、今の私にはまるで水の中で聞く音の様にぼやけて聞えた。


マイクを握る手が震えていた。
貴方にこの想いが届きます様に…。
私は歌う。



「もう辞めない!?お前何つ〜か、重いんだよね」

そうKeiに別れを告げられたのは、今から一ヵ月前。

Keiは私に歌う事を教えてくれた人だった。

18の夏に友達に連れられ、私は初めてclubに足を踏み入れた。
オレンジの光を浴びてステージでマイクを握っていた男の声は、甘く切なく、私の心を強く掴んだ。
その男がKeiという名前だと知ったのは、それから一週間後で、その日から私はKei目当てでclubへ通った。

あの声をまた聞きたい。
それまでHip HopやR&Bなんて聞いた事もなかった私が、今では毎晩の様にclub通いをしている。
Keiがステージに立つのは月に2回のイベントの時のみで、私はKeiの歌声を聞く度に、彼の声だけではなく彼の全てにほれ込んでいった。

19の冬。大晦日のカウントダウンイベントで私は初めてKeiと言葉を交わした。
「明けまして おめでとう」
「おめでとうございます」
彼は酷く酔っていて、色んな女の子に声を掛けていたけど、それでも私は嬉しかった。

私はトキメキを隠せずにはいられなかった。
薄暗いフロアーで何だか煙草の煙がキラキラ輝いて見えた。

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