偽正者
「重量物の取扱いに注意しましょう。ゼロ災でいこーヨシ!」
今日も工員の仕事が始まる。汚い作業着、冷たい安全靴、油まみれの軍手、傷だらけのヘルメット。
これらを装着し作業に取り組む。煩く耳にこだます機械音は、もう慣れてしまった。
同僚とは上辺だけの付き合いで、会話も適当に賛同しておけばそれで済んだ。
しかし、コイツ等激しく馬鹿だ。話すのが疲れる。読書をしていれば普通に覚える単語すらわからない。足し算と掛け算もできない。
ある日、製造品の予定表が渡されて、この通りの個数を造ってくれ、と言われた。そこには「5+3×2個」と書かれていた。私はそれに従い11個作り上げた。
翌日、上司が癇癪を起こしながら私に罵声を浴びせた。
「お前計算もできないのか!?小学生の計算じゃねーか!小学校からやり直してこい!馬鹿!!」
「はい?何のことですか?」
「とぼけるな!俺は16個造れと書いて置いただろ!」
「え?どこにですか??」
すると上司は予定表を持ち出してきて、私の目前に突き付けた。
「ほら、ここに書いてあるだろ5+3×2って!」
「はぁ…。ですから11ですよね…?」
「どこがだ!16だろーが!」
「あのー義務教育終えてますか?この場合、掛け算が先ですよ」
私が指摘すると、その後しばらくの沈黙が流れた。
今日も工員の仕事が始まる。汚い作業着、冷たい安全靴、油まみれの軍手、傷だらけのヘルメット。
これらを装着し作業に取り組む。煩く耳にこだます機械音は、もう慣れてしまった。
同僚とは上辺だけの付き合いで、会話も適当に賛同しておけばそれで済んだ。
しかし、コイツ等激しく馬鹿だ。話すのが疲れる。読書をしていれば普通に覚える単語すらわからない。足し算と掛け算もできない。
ある日、製造品の予定表が渡されて、この通りの個数を造ってくれ、と言われた。そこには「5+3×2個」と書かれていた。私はそれに従い11個作り上げた。
翌日、上司が癇癪を起こしながら私に罵声を浴びせた。
「お前計算もできないのか!?小学生の計算じゃねーか!小学校からやり直してこい!馬鹿!!」
「はい?何のことですか?」
「とぼけるな!俺は16個造れと書いて置いただろ!」
「え?どこにですか??」
すると上司は予定表を持ち出してきて、私の目前に突き付けた。
「ほら、ここに書いてあるだろ5+3×2って!」
「はぁ…。ですから11ですよね…?」
「どこがだ!16だろーが!」
「あのー義務教育終えてますか?この場合、掛け算が先ですよ」
私が指摘すると、その後しばらくの沈黙が流れた。
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