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記憶に響く低い旋律、赤い雫に掻き消され。

[339]  吉乃森 雪  2006-04-22投稿

褐色に赤が混じった、土の上に。
横たわる君とライフル銃。

走馬灯みたいに、頭のなか…ぐるぐる回る“当たり前”の日々。


血に濡れた私の両手。
涙と雨が入り混じって、透明がにじんだりして。


『ごめんね、ごめんね、ごめんね‥』


違う、本当はあなたに逢って謝りたいの。

瞳を見て

謝りたいの。


言いたい言葉も伝わらない。
今になって後悔。


これはわたしが犯した過ち。


ねえ もう一度聞きたいよ。



──『愛してる』。


あなたが撫でたわたしの髪。

赤い雫で溢れてる。

もう一度囁いて?





『─────‥』





音ガ聞コエナイ─。

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