恋のヒナ
まったく雨なんて憂鬱である。布地のスニーカーにじんわりと冷たい感覚が広がる。これから半日もこんなジメジメした靴に足を入れてなきゃいけないのか。日向子はコンビニのバイトに向かうところである。
自宅から駅まで徒歩10分、そこから電車でさらに15分という微妙に面倒臭い場所にそのコンビニはある。
そして密かに思いを寄せる小坂さんもそこにいる。
いつもならそんな理由もあって比較的足取りも軽く向かうのだが。
インフルエンザなんて…きっと彼女が看病するのだろう。側に寄り添って「大丈夫?おかゆフウフウしてあげるね」とか言っているのだろう。バカップルめ!
そんな空想をしつつ仕事に入る。
「お弁当暖めますか?」
営業ボイスでにこやかにレジをこなしながらも心の中はスニーカーのようにジメジメだ。
『小坂さんかわいいストラップですね』
ある日の休憩時間、さりげなく聞いてみた。
『彼女とお揃いなんですかぁ?』
ニヤニヤしてからかうように。
『あぁこれ?なんか恥ずかしいよね、男がくまって。外したらうるさいからさぁ』
そうなんですかぁラブラブですね。
普通に返したがショックだった。傷を最小限にするため彼女もちと決めつけて聞いてみたが、やっぱりショックだ。
自宅から駅まで徒歩10分、そこから電車でさらに15分という微妙に面倒臭い場所にそのコンビニはある。
そして密かに思いを寄せる小坂さんもそこにいる。
いつもならそんな理由もあって比較的足取りも軽く向かうのだが。
インフルエンザなんて…きっと彼女が看病するのだろう。側に寄り添って「大丈夫?おかゆフウフウしてあげるね」とか言っているのだろう。バカップルめ!
そんな空想をしつつ仕事に入る。
「お弁当暖めますか?」
営業ボイスでにこやかにレジをこなしながらも心の中はスニーカーのようにジメジメだ。
『小坂さんかわいいストラップですね』
ある日の休憩時間、さりげなく聞いてみた。
『彼女とお揃いなんですかぁ?』
ニヤニヤしてからかうように。
『あぁこれ?なんか恥ずかしいよね、男がくまって。外したらうるさいからさぁ』
そうなんですかぁラブラブですね。
普通に返したがショックだった。傷を最小限にするため彼女もちと決めつけて聞いてみたが、やっぱりショックだ。
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