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瞳にうつる彼『1章』

[83]  かな  2008-02-21投稿
私。
可愛くない。
気が小さい。
人付合いが苦手な普通の高校生。

そんな私は、恋をしている。

教室の右寄りの真ん中5列目の席。
そこに彼はいる。

入学式も終わって季節は夏。暑そうに下じきで仰ぐ姿。
ノートに書かれた『谷口真紀』。

目立つ存在ではない方だったけど、なぜか目が彼を追いかけていた。
時々目が合ってしまったんぢゃないかと一人慌ててみたり…。
こんな事を楽しんでいる私がいた。

本当に人が恋に落ちた時胸がキュんとするって雑誌見たときは、正直馬鹿にしたし表現が古いと鼻で笑っていた自分。
今は、まさにその状態だった。
高校生にもなって馬鹿なことを…と思われるのは分かるけど、私は付き合ったことも人を好きになったこともなかった。

何もかもが初体験。

プリントを渡す手がちょっと震えるのは、あなたの前だから。
少し離れた場所でも声がしただけで気になるのは、あなただから。

重くてくすぐったい想いを抱えて一年。

私はまだあなたが好きです。

2年になった夏。
遠足でバスに乗ることになった。
私の班は5人。
2人の席を3つ取り、私は窓側にひとりで座ることになった。
男子が乗ってくる。
MDで音楽を聞き窓に顔を向けている私。
肩に誰かの手が触れる。
振り向くと、彼。
急いでイヤホンを外したが絡まる手。

「隣いい?」

どうすればいいのか、どうしたらいいのか。
周りの目を気にする私をよそに気にしてない彼。
イヤホンをしているのに音楽が聞こえてこない。
目をつぶる。
もったいないけど、話したことがないから。
今日にかぎって寝ぐせが残る頭を彼は気付いたかな?なんて気にしている。
音楽を聞くのをやめて、窓に目を向ける。
彼は携帯の画面にずっと目をやる。

メアド知りたいな。
電話出来たらな。
…彼女になれたらな。
好きになってくれないかな。

帰りのバス。
それまで話さなかった私と彼。
バスの中であまったお菓子の交換が始まった。
彼が私にポテトチップの袋をかたむけた。
「食べる?」
その時焦って断ってしまったけど、どうしてなんだろう。
この時貰ってたら何かが違ったのかな?

今でもそのお菓子を見ると思い出すんだ。

あなたは覚えていますか?

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