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あの日あの時

[160]  奈々子  2008-02-21投稿
噂は本当だった。嘘であってくれればと願ったけれど、お節介な友達からのメールに添付された、あなたの結婚式の写真。大学を卒業してから3年以上経つのに、こんなに傷ついてちゃいけない。あなたを忘れなきゃいけない。

だけど…。どうして私じゃなかったの。あんなに一緒にいたじゃない。いつも私を探してくれたじゃない。あの日も、あの日も、あの日も。

私、沢田絵里が、北村直也と初めて言葉をかわしたのは、高校3年生の冬だった。私達は音楽大学の受験生として、T音大の受験準備ゼミのような「受験講習会」で出逢った。

私は子供の頃からピアノを勉強してきて、ほかにとりえもないので音大を受験することにしていた。講習会では、ピアノを弾く以外にも色々な授業があって、なかなかハードな数日を過ごしていた。

昼休み、友達と学食で席を探していたら、後ろから「ここ、あいてるよ。」と声をかけてきたのが直也だった。彼の隣には大きな楽器ケースがどん、と置いてあり、それはチェロという楽器で、彼は私達が座れるようにチェロを少しずらしてくれた。

一目惚れだった。と思う。女子校育ちの私に免疫がなかったのかもしれないけれど、心臓の鼓動が私の気持ちに正直だった。180近くある長身、細い手足、柔らかそうな栗色の髪はサラサラで、きれい。

4人掛けの正方形のテーブルに直也と私と私の友人、圭子。あぁ…気まずい…と思っていたら、
「おぃ直也!もうナンパしてんの?しかも受験まえに。」という声がして、直也の友達が残りのイスに座った。
「バカ!ナンパじゃねぇよ。変なこと言うな。」と直也はぶ然として答えた。するとその友達は
「あ、そうかよ。ピアノ科の人ですか?」と私達にニコニコ質問。
「お前の方がナンパしてんじゃないかよ。」という直也の一言で、私達4人はゲラゲラ笑った。
何だかフワフワした気分。友達になれた気がした。

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