迷 路と砂の山(前
その時の僕はちょうど
砂の山に夢中だった頃
服や顔に泥がついても気にしない
目の前で一緒に山をつくっているきみの気持ちも気にしない
僕が楽しめれば
きみも楽しめると思ってた
ただその時は
砂の山に夢中だった
汚れたって
洗濯機にほうり込めば
きれいになったんだ
そしてきみと僕は
好奇心を武器に
一緒に迷路を攻略しようとしていた
その時の僕は
今まで積み重ねていた事が所詮は砂の山なんだと気付いた頃
服も顔もひたすら気にする
目の前でコーヒーを飲んでるきみの気持ちも気にする
きみは「楽しんでる」と言うが僕はそれを疑う
夢中になるものがなくなったかわりに
気にする事が多くなった
使い捨ての心
汚れては捨てた
そして僕ときみは二手に別れそれぞれ別の出口を探した
、
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