Mind Adventure 1
たゆんだ世界をゆらゆら漂う。
「ぅじゅ……」
「妖需!!」
あかい。
茶の混じった、それでいて鮮やかな赤髪が真っ先に目に入った。
身を起こすと、声と赤の持ち主と、ばちっと目が合った。
相変わらず目つきが最悪だ。褐色に近い肌に、赤い髪。それだけで目を引くというのに、この眉間に寄りまくったシワを見たら………子供なら泣き出してもしょうがない。
「もう、陽が昇った」
「行くぞ」
――私達は、旅をしている――
金色の髪が風に嬲られる。
「よっ、と」
足場の悪い大地を下り、軽くステップを踏む。
緑がさわり、と揺れる穏やかな風の中、少女、水無月 妖需は考えていた。
「この森を抜けると―」
びくぅっ!!
完全な不意打ちだ。ジン=エコラ=サーナールが、黒い目をくりくりさせながら、妖需の顔を覗きこんでいた。
「どした?」
きょとん、と首を傾げる。
「……妖需さん?」
ぎょっ!!
透き通る白い肌。柔和な瞳に色の異常に薄い髪がよく映えている。
絵に描いたようなマリア像、というのは、こういうのを言うに違いない。
彼女の名前はメシア=ネイル=ユセラ。
(ほんとにこのこ、可愛いな―)
ぼへ―。
「……妖需さん………?やはり、昨日の魔物との戦闘で、打ち所が……?」
「へっ!?ううん!?大丈夫!ちょっと考え事してて」
「異常があったらすぐに言ってくださいね? それから、ジンさんが、もう少し行けば港に付くと………」
「了解!」
始まりは唐突で―――\r
動き出すまで気付かなかった。
思えば私達はこの時既に、平安の中には居なかった。
「ぅじゅ……」
「妖需!!」
あかい。
茶の混じった、それでいて鮮やかな赤髪が真っ先に目に入った。
身を起こすと、声と赤の持ち主と、ばちっと目が合った。
相変わらず目つきが最悪だ。褐色に近い肌に、赤い髪。それだけで目を引くというのに、この眉間に寄りまくったシワを見たら………子供なら泣き出してもしょうがない。
「もう、陽が昇った」
「行くぞ」
――私達は、旅をしている――
金色の髪が風に嬲られる。
「よっ、と」
足場の悪い大地を下り、軽くステップを踏む。
緑がさわり、と揺れる穏やかな風の中、少女、水無月 妖需は考えていた。
「この森を抜けると―」
びくぅっ!!
完全な不意打ちだ。ジン=エコラ=サーナールが、黒い目をくりくりさせながら、妖需の顔を覗きこんでいた。
「どした?」
きょとん、と首を傾げる。
「……妖需さん?」
ぎょっ!!
透き通る白い肌。柔和な瞳に色の異常に薄い髪がよく映えている。
絵に描いたようなマリア像、というのは、こういうのを言うに違いない。
彼女の名前はメシア=ネイル=ユセラ。
(ほんとにこのこ、可愛いな―)
ぼへ―。
「……妖需さん………?やはり、昨日の魔物との戦闘で、打ち所が……?」
「へっ!?ううん!?大丈夫!ちょっと考え事してて」
「異常があったらすぐに言ってくださいね? それから、ジンさんが、もう少し行けば港に付くと………」
「了解!」
始まりは唐突で―――\r
動き出すまで気付かなかった。
思えば私達はこの時既に、平安の中には居なかった。
感想
- 9630: てゆーか2ヶ月で300の人が見るとかどんだけ人気なんだよ… 妬きます笑 →マサト [2011-01-16]
- 9677: にゃあ!(゚o゚)嬉しい事この上ないです♪ 閲覧数をグラフにしていた時期もあったので……30くらいは私だと思いますが(ーー;)←馬鹿 これを糧に頑張ります! コメントありがとうございました(^-^) 籬 規那 [2011-01-16]
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