薄らいだ意識が、ゆっくりと醒め始めた。

「んー。」と、伸びをすると、少しの異変に気付いた。

紗耶がいない。

まさかあの男に？

…どうやら俺は助かったようだ。

シャワーを浴びて、頭から血が出ていた事を知った。
たんこぶのもっこり感が痛さを盛り上げる。

｢りっ…滝君！｣

シャワーを浴びてると言うのにこの小娘は！！

ドアを開けやがった。

しかし何故か、俺はずっとマンションの修理代を考えていた。

…壁も穴が空いてるはず。

｢…ごめん…ね？｣

｢え…？うん。｣

紗耶が照れてる。
一応、俺が男だと分かってるようだ。

｢まぁ、あがるから、どいてくれ｣
｢え…あ…あ！うんっ｣

急いで走り去った。

シャワーの横の鏡に写る俺は顔が真っ赤だ。

シャワー浴びたからな。
うん。きっとそうだ。

着替えなんか持って来てるハズがなく、同じ服を着て部屋のベッドに戻る。

ベッドは一つ。彼女なりの気遣いか知らんが、背中を向けている。

ふと時計を見る
15時…15時！？
ご飯を食べてない！

そんなこんなで食べる事に。

なんで喋らないんだよ。

｢…どうしたの｣

｢またホットドック｣

｢きらいなの？｣

｢いや、気付いただけ｣

｢そう｣

また静かになる。

うをー！！！！！

あのデカい奴の事
メールの事
君の名前

全て聞きたい。

顔がずっと真っ赤だ。

｢熱…あるのか？｣

｢ないよ！｣

…そうかぁ。

まだ照れてるのかな？

17時…適当にゲームをした。

もう彼女には照れはなく、ホッとしていた。

｢あ…時間。帰るね。｣

…え？

｢なんでさ｣

｢時間だから｣

｢なんっ…｣

よく見ると泣いていた。

卑怯だろ。

なんで泣くんだよ。

｢私ね、未来から来たの｣

…ネタか？

…挟んでくるのか？

｢あの人は、あなたが未来にいない時の夫なの｣

｢どこであったのかは知らないケド、私、あなたの方がいい｣

…プロポーズか？
…というか、同窓会の初めの一言目もあの変な空間も、マンションで泣いた事も変な銃も全部、話しが通る

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