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異能者12

[433]  ヒッキー  2008-02-23投稿
場に緊張が走った。全員が恐怖と興味の感情を持つ中に。
「っ、ははは。」
 「?」
急に悟は笑いだした。
「冗談だ。マジになるな。」
一同安堵した。
「これからは闘わないこと。それだけだよ。」
「わかりました。」
準はそう返した。
「じゃあね」
それだけあっさり言って帰っていった。




それから少しして、クラスのメンバーはだいたい練習に戻っていた。
「あ、あのー」
準が振り向くとあの少女がいた。昨日とまったく同じ状況である。
「ありがとうございます。」
「なんで本当のこと言わなかったの?」
準は少女にきいた。
「ええと・・・」
 彼女はもじもじして
「すっかり忘れてたんです」
と、言った。
「・・・クス」
準は小さな声で笑った。
聞こえたらしく、彼女は顔を赤くした。
「名前・・・」
「えっ!?」
「名前、なんていうの?」
準は笑顔で言った。
「白崎、桜です。」
「僕は太田準。友達になろう。」
桜は一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔に変わった。
「はいっ!」
それは今日、準が聞いたもっとも元気の良い桜の声だった。準は学校が楽しくなっていた。

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