高二の秋、俺は授業をさぼったのがばれ、職員室で生活指導の体育教師にされていた長い説教がようやく終わった。
時間は夕方の5:00になりかけた頃。

イライラしながら職員室を出る。

一人不似合いな表情で廊下を歩き、自分の教室に向かった。

廊下を歩いていると野球部の声が外から聞こえてきた。
練習試合が土日に控えているので、かなり気合いが入っている。

イライラしてる自分にとっては少し不快に思いながら教室に入る。


教室の中には一年生の時のクラスメイト村瀬舞が一人で椅子に座っていた。

村瀬は少し大人しい子で普段は静かだが、仲のいい人には時折ニコっとかわいい笑顔でふざけて冗談を言ってくるような普通の子だ。

自分はムシャクシャしてたので村瀬に声をかけず、帰る用意をしていた。

すると村瀬がゆっくりと、こちらに近付いて来た。

自分は気にせず、教科書を鞄にしまっていた。

すると村瀬がカーディガンの袖先から少しだけ出てる指先で俺の制服の肩の部分をギュッと掴み、クイクイと少し引っ張ってくる。

ったく、今はふざける気分じゃないのに。そう思いながら後ろを振り返る。



振り返って見た村瀬の顔は、自分が予想していたニコ

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