インデックス ?
インデックス第一部 My Heart More heart
「目……覚めた?」
ベッドから半身を起こし、呆然と自身の剣に目を向ける黒髪の青年、カイン。そのカインの耳と思考に割り込むかの様に、透き通った優しい小鳥の囀りの様な声が届いた。
反射的に声が聞こえた方向に耳を向けたカインの目に映ったのは、自身の幼なじみであり、現反乱軍『ムラクモ』の一員である……アキ・アイカワの姿だった。
開けっぱなしの重厚感のある錆び付いた扉の手前に立ち、自分を柔らかな表情と優しい瞳で見つめるアキにカインは心が和らいでいくのを感じた。
僅かなブラウン色を含んだ長い髪を後部で一つくくりにし、整った輪郭の中でも特に光りを放つ大きな瞳をカインに向けるアキ。今の彼女の表情だけ見てとれば、今が戦時中ということなど忘れてしまうだろう……しかしアキが着用している、くすんだ汚れや染み付いた血液がこびりついたグレーの戦闘服からは、戦争の熾烈化と悲惨さが見てとれる。
「大変だったんだよ。カイン、戦闘中に急に頭押さえてうずくまっちゃうから……」
言葉と共にアキはカインが座るベッド足をに進め始めた。
ベッドの横に配置された小さな円形の椅子にアキは自身の腰をおろすと溜め息を一つついた。
「病気なの?」
アキの問いと、自身を気遣う心配そうな表情を視認したカインは顔を俯かせる。
カイン自身にも、なぜ自分が戦闘中に倒れたのか……その理由が分からずにいた。
カインは共和国軍との戦闘中、猛烈な金切り音と共に万力機で締め付けられたかの様な酷い頭痛におそわれていたのだ。
昔から、そんな前兆はあった……しかし、それはあくまでも常人が感じる程度の『頭痛』であって、今回の様に意識を失う程に痛む頭痛に見舞われたことはなかった。
そして、意識を失う直前に確かに頭に響いた一筋の声。
プロジェクト・ロード……廃棄ナンバー…カイン・スミシー
カインは頭に残る聞き覚えなどまるでない不適な男の声を掻き消すかの様に頭を左右に二、三回振った。
「分からない……だが病気だったとしても、頼まれた報酬分の依頼は遂行させる」
そう小さな声をアキにボソリと告げた。
「そっか……そうだよね。カイン……ヴェノムなんだもんね。いつまでも体の弱かった小さな頃のカインじゃないもんね?」
「目……覚めた?」
ベッドから半身を起こし、呆然と自身の剣に目を向ける黒髪の青年、カイン。そのカインの耳と思考に割り込むかの様に、透き通った優しい小鳥の囀りの様な声が届いた。
反射的に声が聞こえた方向に耳を向けたカインの目に映ったのは、自身の幼なじみであり、現反乱軍『ムラクモ』の一員である……アキ・アイカワの姿だった。
開けっぱなしの重厚感のある錆び付いた扉の手前に立ち、自分を柔らかな表情と優しい瞳で見つめるアキにカインは心が和らいでいくのを感じた。
僅かなブラウン色を含んだ長い髪を後部で一つくくりにし、整った輪郭の中でも特に光りを放つ大きな瞳をカインに向けるアキ。今の彼女の表情だけ見てとれば、今が戦時中ということなど忘れてしまうだろう……しかしアキが着用している、くすんだ汚れや染み付いた血液がこびりついたグレーの戦闘服からは、戦争の熾烈化と悲惨さが見てとれる。
「大変だったんだよ。カイン、戦闘中に急に頭押さえてうずくまっちゃうから……」
言葉と共にアキはカインが座るベッド足をに進め始めた。
ベッドの横に配置された小さな円形の椅子にアキは自身の腰をおろすと溜め息を一つついた。
「病気なの?」
アキの問いと、自身を気遣う心配そうな表情を視認したカインは顔を俯かせる。
カイン自身にも、なぜ自分が戦闘中に倒れたのか……その理由が分からずにいた。
カインは共和国軍との戦闘中、猛烈な金切り音と共に万力機で締め付けられたかの様な酷い頭痛におそわれていたのだ。
昔から、そんな前兆はあった……しかし、それはあくまでも常人が感じる程度の『頭痛』であって、今回の様に意識を失う程に痛む頭痛に見舞われたことはなかった。
そして、意識を失う直前に確かに頭に響いた一筋の声。
プロジェクト・ロード……廃棄ナンバー…カイン・スミシー
カインは頭に残る聞き覚えなどまるでない不適な男の声を掻き消すかの様に頭を左右に二、三回振った。
「分からない……だが病気だったとしても、頼まれた報酬分の依頼は遂行させる」
そう小さな声をアキにボソリと告げた。
「そっか……そうだよね。カイン……ヴェノムなんだもんね。いつまでも体の弱かった小さな頃のカインじゃないもんね?」
感想
感想はありません。
「 ウグイ 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。