携帯小説!(PC版)

夢負人??

[396]  朝顔  2008-02-26投稿

種を一つ蒔いたとさ
水を一粒あげたとさ

芽が出て泣いた泣いた可愛い赤子

次は赤い雫をあげよ






腕をいっぱいに伸ばし棚の埃をはらった。宙に舞った灰色の汚れにむせた悠斗。
恨めしげに夢路を見ると、普段は読まない新聞を広げている。
「たまには手伝ってくださいよ」
叩きを見ると既に真っ黒になっている。三日にいっぺんは事務所を訪れているのにすぐこれだ。
「やーだよ」
窓も閉め切ったまま煙草を吸うせいで白いもやが部屋中を漂っていた。
父親が蒸発してからは身近に煙草を吸う人間はいなかった。慣れない臭いに咳が止まらない。
ふと目に留まった新聞の見出し。大きく『またも親が子供を死なす』と書かれている。
「最近多いですね。一体どんな理由があれば自分が産んだ子供を殺せるのか……時代ですかね」
「まともに働いた事もねー奴に言われたかねーよ」
そうは言っても連日続くニュースに憤りを感じていた。
自分くらいの子供ならまだしも、まだ小学校にさえ通っていないような幼い命が失われている。
それも事故ではなく親が手に掛けるなどあってはならない事だ。
「テレビつけたら同じような事件が起こってるかもしれないですよ?」
きまぐれにテレビの電源を入れると、丁度お昼のニュースにチャンネルが切り替わっていた。
三十代半ばのレポーターが、民家の前でマイクを握っている。
『またも親が子供の首を絞め殺すという事件が発生しました』
やはり、と目を離した瞬間悠斗は目を疑った。
『被疑者は亡くなった真理ちゃんの母親、加川真佐美』
「マジかよ……」
それは三日前、ここ夢路探偵事務所に依頼をしに来た女性だった。

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