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バースデープレゼント

[303]  ふく  2008-02-26投稿
もうすぐ春が来る
あなたが生まれた春

一ヶ月前あなたへのプレゼントを買いに出掛けた
まだ春物の服を着るには肌寒くて
でも春をほんの少しだけ感じさせる暖かい陽気
あなたの事だけを想いながら必死で選んだ
何時間も掛けて何件も店を回って
少し汗をかきながら懸命に歩き回った
あなたにピッタリのプレゼントを見付けた時の喜びは大きかった
帰りの電車の中で疲れと安心感で眠ってしまった
部屋に戻って可愛く包装されたプレゼントを何度も手に取っては眺めた
あなたの喜ぶ顔を思い浮かべて顔が綻んだ
何だか楽しくて嬉しくて胸が高鳴って早くあなたに渡したくて誕生日が来るのが待ち遠しかった

だけど渡せなかった
突然のあなたからのさよなら
苦労して選んだプレゼントも私も
ぽつんと残されてしまった
悲しくて仕方なくなってクローゼットの一番奥にしまい込んだ
見るのが辛い
でも捨てられない
これを捨てれば自分の気持ちまで行き場をなくしてしまいそうで怖かった

せめて『おめでとう』だけでも伝えたかった
あなたが生まれたその日を心から待ち望んで
あなたが生まれて来たから私たちが出会えた奇跡を二人だけで祝いたかった

あなたの誕生日が過ぎたら忘れよう
きっと苦しいけど
きっと忘れられないけど
過去は振り返らないと決めたから
寂しさも薄れて行くはず
現状から逃げたくてしまい込んだ渡す事のないプレゼントも
これから何十年か経って忘れた頃に出て来た時
『あぁ、こんな頃もあったな』って懐かしく思い笑えるようになろう

過去を断ち切る為に前へ進む為にあなたの誕生日には空へ言葉を飛ばすんだ

『おめでとう、生まれて来てくれてありがとう』って

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