散ったとしても。3
「〜〜〜っ、なわけ無いでしょうが!!!」
「瀬戸口 悠理、14歳にして初めての春!おめでとー!イイ恋してネv」
噛み合わない会話を、HR中に馬鹿でかい声ではなされ、内容は筒抜け。
クラスは爆笑の渦になっていることを二人は知らない。
そして、冷えた目で見つめる教師。
火山爆発まで、あと
3‥2‥1‥
「お前等二人とも!!!!!!廊下に立っとけ!!」
教師はクラス名簿を下へ投げつけ、二人──瀬戸口 悠理と佐々城 翔──を指差し怒鳴りつけた。
「…………。わかりました…」
悠理が少しムスっとしながら教室を出た。
続いて
「せんせぇ、『廊下に立っとけ』は古いと思いまーす。」
と言って教室を出た。
先生がやかましい!と言って、バケツ追加されることになった。
「…あんたのせいだからね」
「今時バケツなんて、のびた君でも持たないよね?」
「……聞こえたら追加されるよ」
「瀬戸口も巻き添え?」
「殴るよ。」
外での会話が聞こえるのか、くすくすと言った声が聞こえてくる。
(ほんと、最悪。)
この男─佐々城 翔(ささき かける)─とは幼馴染み。
今年同じクラスになってから、よく喋るようになった。
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