携帯小説!(PC版)

喫茶10

[380]  湯島 朗  2006-04-23投稿
 ここ、『喫茶10』は事情があって学校に行けない子、家に入れない子がたくさん集まっているいじめにあった子の唯一の安らぎの場所。わたしも、自殺しようとしていたところを関東さんに見つけてもらって、死なずにすんだ。まぁ、私は死んでも良かったんだけど。関東さんはそう言う事を認めない。
 喫茶10には時々くる子もあれば、完全に住みついている子もいる。私もそうだ。食事の心配はない。ただ、他の事に関して(掃除、洗濯などなど)の仕事は自分たちでやる。食事だって、材料自身に心配がないだけで自分たちで当番を決めて作るのだ。
 そこまで説明を聞いた後、私はこの喫茶10で住むという目印のためか制服(?)を貰った。明るい、水色のワンピースのような感じだ。
「それじゃ、君の部屋を見に行こうか。」
 関東さんにそう言われ、私は荷物を持った。
 階段を上って行く。時たま、人とすれ違う事があった。その人は、私と同じく手首に包帯、その他アザがたくさんあった。
「彼女はね、家庭の暴力を自分のせいにしてストレスがたまっていたんだ。そして、リストカット
 を初めて、君のようなパターンだ。大体、ここに住む子は『親に見放された子』ばかり集まって
 いるからね。」
 関東さんは、そのような子たちの父親とでも言うような口調で言った。

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