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涙の輝き

[288]  もね  2008-02-27投稿
美しく着飾る
華やかな街が暮れゆく
ライトに照らされた
眩いケースの中に
まるで当然の様に
金剛石は輝く
それを目にする時
ある人は遠さに溜め息をつき
ある人は自分に相応しいと手にとる
ある人は女を手に入れる為眺める
ある人は永遠の愛を誓い求める
その石はどこから来ただろうか
ずっと遠い西の果て
美しく貧しい国から来る
その日の糧に体を売る女
その日の糧に命を奪う男
恐ろしい富の為闇を這う異国人
いつからかその石は特別に削られて
富の象徴として取り扱われた
いつからかこの石の為争いが起こり
この石の為沢山の血が流れた
その何倍の汗が
この石の為流れただろう
この国にいつまでも貧困は残り
欲と支配への怒りが残った
眩いショーケースに並ぶ金剛石
私はそれを見ると
何故か悲しくなる
美しい輝きに
それを掘る褐色の人々の
涙の輝きを見てしまうから


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