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雪のなかで

[397]  ひよこ  2008-02-27投稿
どうしてだろう。


雪の降る日は憂鬱になる。
ふわふわのくせっ毛。
すこし赤くなった頬。
肩に積もる雪。
歩幅の広い足跡。
振り返るその、瞳。
俺の名を呼ぶ声・・・・。


全部、あんたなんだ。

どうしようもなく、あんたなんだ。


愛している。
愛しているんだ。

小声でつぶやいた俺の声は、雪に吸い込まれてしまって。

あんたまで消えてしまいそうな気がした。

「愛しているんだ。」


もう一度、確かめるように繰り返し、俺は目の前の後ろ姿を追い掛けた。

雪に邪魔されないように。あんたに聞こえるように。

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