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桜月夜の晩に。2

[235]  あや  2008-02-29投稿
走って走って、僕はやっとキミのマンションについた。

「大丈夫か?深雪」

「佐倉くん…」

キミは、青白い顔で震えながら泣いていた。佐倉と言うのは、3年前に死んだ僕の友達の名前だ。
「佐倉くん…迎えにきてくれたのね?」

僕は、キミを抱きしめて優しく諭す。

「違うよ。僕は斎藤だよ。深雪…佐倉はキミを迎えにはこられないんだ。よく聞いて。佐倉はもう死んでしまったんだよ」
キミの顔が以前に増して青ざめる。

「…違うわ…嘘よ。そんなの…佐倉くんは死んでなんかいない…いやぁぁぁぁぁ」

キミは泣き崩れながら僕の胸をドンドン叩く。まるで聞き分けのない子どもみたいだ。
キミがこんな姿になるなんて、あの頃の幸せそうな笑顔からは決して想像できなかっただろう。

感想

  • 8985: いい文脈ですね。文に対する愛情みたいなものを感じます。よろしければこのサイトを御覧下さい。http://tool-4.net/?syodouです。 [2011-01-16]

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