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オレの恋道。

[277]  SERINA  2008-02-29投稿
公園のベンチに座っている。夕方なだけに人は少ない。
自分の傍らには女がいた。付き合って一週間の彼女だ。
「ねえ、聞いてるぅ?」
「えっ、ああ」
彼女が必死に話しかけているのに、オレはぼーっとしてたらしい。
「もういい。彰といてもつまんない、私帰る!」
「あ…おい!」
彼女は立上がり、怒りを込めオレに言い放つ。
「さよなら!」
「……」
行ってしまった。
多分このさよならは挨拶ではなく、オレ自身とさよならって事だろう…。

彼女を追うわけでもなくオレは家に帰った。
自分の部屋へ行きベッドに寝転がる。
「……」
落ち込んではいない。もうこの展開には慣れてしまった。オレはいつもこんなパターンでフラれてしまう。
告白されて付き合うのだがイマイチ相手を好きになりきれない。
そのいいかげんな気持ちが相手にも伝わるのか、こうやってすぐに終わりが来てしまう。一週間はオレの最短記録だけど。
「そっか…」
オレは仰向けで天井に向かいポツリと言葉を発する。
「オレって自分から誰かを好きになった事がないんだ…」

次の日オレはオレは家を出て学校に向かった。
着くと教室で友達がオレにからんできた。
「最近彼女とはどうよ?」
「…昨日フラれた」
「マジで?また?」
友達は驚き信じられないとオレに怒鳴ってくる。
「お前タンパクすぎ!いっつもとっかえひっかえ…」
「うるせー…」
友達の言葉が耳障りで耐えきれず教室を出る。もうすぐ授業は始まる。
「…サボルか」
そう決めて歩き出す。行き先は屋上だ。
屋上に着くと深くため息を吐く。
「最初は付き合ってればその内好きになるって思うんだよ…」
けれどいつもそうなってはくれない。
「……」
屋上で暗く佇んでる時だった。
「ねえ、君は僕と同じサボり魔?」
後から声が聞こえた。振り向くと一人の男子生徒が笑顔で立っている。
「僕は1年2組の笹川健哉」
「…2年5組…南野彰」
いきなり自己紹介され、つられて名乗ってしまう。
「…彰君かぁ、よろしく。あ〜でも僕、留年生だから年齢は17才だったりするよ」
「留年…」
「さて、僕はここで本読むから」
横に座り笹川は本を読む。オレもなんとなく座る。話す事なく時間は過ぎていく。笹川の横でオレの心臓はなんでか高鳴っていた…。

感想

  • 8984: いい文脈ですね。文に対する愛情みたいなものを感じます。よろしければこのサイトを御覧下さい。http://tool-4.net/?syodouです。 [2011-01-16]
  • 9042: 作者のSERINAです。感想ありがとうございます。あと、一つ誤字っぽいとこがありました。すみません…未熟者です。 [2011-01-16]

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