見捨てた日
今日、図書館で寂しいおじいさんに会いました。
私が休憩コーナーで昼食を採っていた時のこと。
いつの間にか、周りで休憩していた人達は居なくなり、私とおじさんは二人きり。
私は、提出期限を過ぎた課題と格闘中だったので、急いでご飯を食べていたんですけれど、
おじさんが、私に話しかけてきて。
「何歳?」とか、「どこに住んでるの?」とか聞かれたりして、正直疎まくも思ってましたが
おじさんは、奥さんを亡くした事を話してくれました。
「いつも、コンビニの弁当ばかりだよ」と、笑って言っていました。
食事が進まないまま、暫く会話をしていると、司書さんが何やら合図をしています。
私はお弁当をしまって、司書さんについて行きました。
「怖くなかった」「大丈夫だった」
なにも、されてないのに
確かに、急いではいたし、救われたのは事実です。
おじさんが、館内で騒いでいて、注意を受けて怒っているのを見て、足早にそこを離れた事もあります。
だけど
だけど。
結局、私は司書室で残りの食事を済ませ、曖昧な笑みをうかべ、お礼を言ってその場を後にしました。
寂しいおじいさんと
あのまま二人でいたら、何かの拍子に怒らせてしまって、怖い目に遭っていたかもしれない。
私が知らないところで、もっと凄く悪い事をしたのかもしれない。
もしかしたら、奥さんの話は嘘だったのかも
だけど
目は、ごまかせないと思うんです。
たしかに、おじいさんの目は、優しい光と…………
寂しげな、弱い光を放っていた気がして。
あのおじいさんは、今回のことで、余計に周りから目の敵にされてしまいそうです。
私は
こんな事は言っていますが、所詮は相手の見えないネット上で。
最後には、自分の利益を優先しました。
これは
讒言、かもしれない
今日、終わらない孤独の中に、人一人を置き去りにしました。
偽善に聞こえるかも知れないけれど――
「救いたい」
とも、思いました。
今更、遅いけれど
感想
- 9078: みんな孤独だよ。人を救える時とそうでない時とあると思います。《あやこ》 [2011-01-16]
- 9098: たくさんのやさしさが持てるように自分が満たされるといいんだけど…といつも思ってます。こちらこそありがとう(^-^)《あやこ》 [2011-01-16]
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