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オレの恋道。?

[244]  SERINA  2008-03-02投稿
「…なんで?」
笹川から返ってきたのはその一言だった。
当たり前だ。オレは笹川と友達どころか知り合いですらない。
言うなれば『知っている』というだけ。
「まあ、いいや。一緒に帰る?」
「え?」
予想外の言葉に対応出来ず、つい聞き返してしまうオレ。
「嫌なの?君、僕に会いに来たんでしょ?」
「全然嫌じゃない!帰る、帰るよ」
笹川の誘いを慌てて受ける。そんなオレを見て笹川はクスクス笑っていた。
「彰君って面白い人だね」
「……悪かったな」
その面白いは絶対に褒め言葉ではないだろう…。

2人並んで帰り道を歩く。笹川との間の距離は割と近い。肩が触れそうだ。
「彰君ってどこに住んでるの?」
「清田、近いから歩きだ。お前は?」
「僕は大曲。ちょっと遠いからバス。だからバス停まで一緒だね」
「そっか…」
バス停までは約10分。あっという間についてしまった。
笹川は着くとすぐに『バイバイ』と帰りの挨拶をする。
名残惜しい、そんな気持ちが心にある。
「…待つよ。バス来るまで」
「彰君…面白い通り越して変な人だね。僕らって友達だっけ?」
「なんとなくだ、なんとなく!」
答えにならない答えを返した。オレ本人が疑問を抱いているのに、答えられるわけがない。
「あーわかった、もういいよ」
「……」
笹川は面倒くさそうに頭をかく。
もういいって何だ?さっさと帰れって事か…?
オレは笹川に背を向け帰ろうとした…が、腕を笹川に掴まれ制止した。
「待ってよ。これから友達って事でいいよ…ね?」
「…え、あぁ…」
返事をしつつも、予期せぬ笹川の言葉を、理解しようと頭を働かせた。
「あ、バスが来た。またね、彰君」
笑顔で手を振りながらバスに乗り込んでいく。
その笑顔につられてオレも笹川に向け手を振る。
バスは行ってしまった…。
「…友達か」
改めて出来事を思い出し、友達になれた事に喜びを感じる。
笹川に言われたようにオレは変だ。
あいつに会ってから何かが変だ…。

感想

  • 9122: ストーリーテーマがただの恋愛話ではない所が、面白いですね。これからの展開を期待しています!!札幌地区の名称が出て来てなんだか親近感が湧いて来まして、気付いて直ぐにこの欄に感想を書かせて頂きました。とても読み易く、この小説の世界に引き込まれました。これからも頑張ってください。BY 麻呂 [2011-01-16]

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