散ったとしても。5
ふと、翔のほうへ目をやれば、すでに女子が翔の机を囲んでいた。
(あー…やっぱし。)
あとで、女子から罵声くらうな。
『付き合ってもないくせにベタベタしないでくれる!?』『あんまり近付かないで!』
と、まあ色々。
おおかた、私が離れるのを心待にしてたってところね。
それほどアイツもてるもんね、ムカつくけど。
…なのに、なのに彼女は作ったりしない。
(好きな子でも居んのかな…)
ま、関係ないけどね。
* * * * *
「悠理〜っ!一緒に帰ろうゼ!!」
「誰が“悠理”って言って良いって言った?」
「あれ?そんなこと言ったの?俺別に自分で勝手に呼ぼうと思っただけー!」
「呼 ば な い で!!」
帰り支度をし、鞄を持ち、教室を出た、すぐそのとき後ろからドドンとアタックされた。
痛みには慣れたが、やっぱり周りの視線が痛い。(特に女子)
「……周りの目とか気にしないわけ?」
「やだやだ、照れてんの?」
「そうじゃ無いでしょ…」
呆れた、と溜息をついた。
感想
- 736: 面白そうですね。楽しみにしてます。 [2011-01-16]
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