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LASTSUMMER#59 『天豪三の対策』

[672]  SETTARMEN  2008-03-06投稿
【3回裏天豪三ベンチ】


3回表に無死1、2塁からの三者連続三振で藤城打線を0に抑えた川浦は意気揚々とベンチへ帰って来た。



川浦『いやぁ最高だったね!ピンチはやっぱしびれるぜぃ!』



雪村『まだ序盤だぞ。油断するなよ』


と捕手の雪村が声を掛けた。



川浦『わかってるって。まぁ今んとこ打たれる気はしねぇけどな』


川浦は自信満々だ。



天豪三ナイン全員がベンチに戻ったところで土谷が口を開いた。


土谷『さっきの回は0でピシャリと抑えられて良かったと思う。あとは攻撃だ!!相手ピッチャー、前の回からシュートも投げてきてるらしいから、この回捉えて主導権握るぞ!!』



全員『はい!!』



この回は4番石堂から。


その石堂に土谷が声を掛けた。



土谷『石堂!相手のピッチャーどうだ?打てそうか?』



石堂は冷静な表情のまま答えた。



石堂『あの投手なら打ち崩せますよ…大したことないですね…』

サラッと言った。



土谷『そうか!頼むぞ4番!!あと、できればシュートに絞って狙ってくれるとこれから攻略しやすいんだが…』



表情を崩さないまま石堂が再び答える。



石堂『わかりました…シュートを狙います…』


と、言うと打席に向かって行った。



石堂秀人(イシドウヒデト)
昨年から天豪三の4番に座るスラッガー。川浦と同様、打撃に関して言えば彼は天性の才能を持った人物であるだろう…


そして、多くを語らずバットで結果を出す。チームメイトからも『ヒデ』と呼ばれ慕われている。
ちなみに神主打法である。



その石堂は考えていた。



石堂(初回から使ってこれたはずのあのシュート…それをなぜ初回は使わなかったのか…
それを考えれば、おそらくあの球は完成された球じゃない!
狙うならこの打席だな…俺の1本であの投手は崩れる!!)



シュートを狙い打つことを念頭に置き石堂は打席に入った。



藤城バッテリーもピッチング練習が終わりいよいよ3回裏が始まろうとしていた…

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