星の蒼さは 31
イカレた視力と聴力を戻そうとクロイツは必死に頭を振った。
こんなことをしている間に撃たれてしまう。
クロイツは光の正体よりも感覚の回復に力を尽くした。
甲斐あって白く塗り潰されていた視界は色を取り戻し、金属音の止まらなかった耳は正気を取り戻した。
クロイツは即座に反撃体制に入る。
だが、どこからも攻撃は無かった。
「何を…」
肩に10と書かれたゼロもまた、キョトンとしていた。
奴の視線(といってもよいのか)は数百M程先に浮かぶ火の玉を見つめていた。
目を凝らす。1キロ先でこの大きさ。間違いなかった。
「カリプソなのか!?」
空中で燃え盛る鉄の塊は間違いなくアント級補給艦カリプソであった。
「何故!」
その時ハーケン・クロイツ中佐は見た。紅い炎の中から得体の知れない「白」がぬっと起き上がるのを。
「……翼」
生き物の翼だった。巨大補給艦より大きな純白の翼がダークキャットのメインビューいっぱいに広がる。
まるで『天使』。幼い頃見た、教会に飾ってあった一枚の絵の中で微笑んでいた天の使い。
だが、すぐこれが本質的に神聖なるそれとは性質を異にする存在だと気付く。
明らかに人工物。
「WW……」
こんなことをしている間に撃たれてしまう。
クロイツは光の正体よりも感覚の回復に力を尽くした。
甲斐あって白く塗り潰されていた視界は色を取り戻し、金属音の止まらなかった耳は正気を取り戻した。
クロイツは即座に反撃体制に入る。
だが、どこからも攻撃は無かった。
「何を…」
肩に10と書かれたゼロもまた、キョトンとしていた。
奴の視線(といってもよいのか)は数百M程先に浮かぶ火の玉を見つめていた。
目を凝らす。1キロ先でこの大きさ。間違いなかった。
「カリプソなのか!?」
空中で燃え盛る鉄の塊は間違いなくアント級補給艦カリプソであった。
「何故!」
その時ハーケン・クロイツ中佐は見た。紅い炎の中から得体の知れない「白」がぬっと起き上がるのを。
「……翼」
生き物の翼だった。巨大補給艦より大きな純白の翼がダークキャットのメインビューいっぱいに広がる。
まるで『天使』。幼い頃見た、教会に飾ってあった一枚の絵の中で微笑んでいた天の使い。
だが、すぐこれが本質的に神聖なるそれとは性質を異にする存在だと気付く。
明らかに人工物。
「WW……」
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