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星の蒼さは 33

[464]  金太郎  2008-03-09投稿
(もはや巡洋艦一隻で行う規模の戦闘ではありません!これ以上の戦闘は危険と判断します。迅速に帰投して下さい!)
(艦長…!おい、ハル!何だかわからねぇが退却らしい!退くぞ!)

「あ、ああ」

野口に促されハルも戦闘機体形に変形する。
完全に形勢は不利に傾いた。あおかぜ隊には無様に逃げ出す他に手はなかった。
当然、それを許す月軍ではない。我先にと逃げ出すあおかぜ隊に対し追い討ちをかけようと一斉に銃を構えた。
ハルの目の前の指揮官用ダークキャットも同じくライフルを構える。

「くそっ!」

後ろを振り向いた時、ハルは天使の翼が紅く輝くのを見た。
そう。あの晩、吹雪の雲を蹴散らして強引に、そして無遠慮にハル達の世界に入り込み、全てを奪い、蹂躙したあの『光』。

「な、なんで…?」

次の瞬間、一瞬だけ視界を「紅」が支配し、圧倒的熱量が降り注ぐ。
だが、それはあおかぜ隊だけに向けられたものではなかった。
「紅」はあおかぜ隊までの直線上に展開していた月軍機動部隊までも等しく塗り潰したのだった。
次々と超高温で溶けだし爆散していく。
あおかぜ隊も、月軍も、大半が等しく断罪の焔を受けねばならなかった。

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