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[312]  月詠 園夜  2008-03-09投稿
 一つ息をつくと、アルコールの残り香が鼻孔をかすめた。
 (...飲み過ぎだな)
 もう少し水を飲むため、ジキルを起こそうとカウンターの中に入る。
 酒ビンが散乱するカウンター。一歩進むごとに、カランカランと小気味良い音が騒ぎたった。
「おい、起きろ!オッサン」
 遠慮無しに、ジキルの肩を揺らす。
「起きろっつってんだよ!おい、ジキル!!」
 しばらく揺らすと、ジキルが小さなうめき声をあげた。
 揺らしすぎかと思ったが、すぐに考え直して揺らし始める。
(どうせいつもの事だしな。起こすこっちの身にもなれってんだ!)
「おい、ジキル―――」
「あ゙ぁ?うるっせぇな!酒ならその辺にあんだろが!」

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