少女と麒麟と青い空 4
30分くらい歩き続けて少しお腹がすいたな、なんて思った時にキリンは止まった。
「着いたよ、トリさん」
眼の前にそびえ立つ立派なマンション。
赤い煉瓦のような外観はどっしりしていて、なかなか豪華。
…確かにぱっと見ただけでも15階以上はありそうだ。
人が通り抜けるのに便乗してすかさず門を抜ける…オートロックの意味のなさを考える時ではないながらも、複雑だった。
「ねぇキリン…さん。どうしてここなの?」
二人きりのエレベーターで…誰に聞かれるわけでもないのに小声になる。
「まあ、着きゃわかる」
ふーん…。
それにしても私、いつの間にか敬語辞めてる。
…だからどうって事ないけど。
躊躇わず1番上の階で降り(なんと23階!)
早足で歩くキリンに追い付く。
「ここ登るよ」
1番端の行き止まりの上を見上げると、屋上に繋がるマンホールがあった…高い位置からしかない梯子を、キリンは軽々登る。重たいマンホールの蓋を開けたキリンが、私に手を差し延べる…これで二回目。
苦労して、ようやく屋上に着いた。
学校と違って、フェンスも何もない。
以外と汚い屋上の縁には鳩がたくさん止まって、不審な侵入者を気にしていた。
気持ちいい?
伸びをして、容赦なく吹き付ける風にむせた。
凄い。
体ごと風に持って行かれそうだ。
ここからちっぽけな学校が見える。
学校どころか、遠くにある山が見える…澄み切った空より青い。
「いいでしょ?」
「うん…素晴らしい」
キリンは微笑んだ。
私も微笑みを返した。
世界はみんな私たちの下にあった。
凍える体も、乱れた髪も気にならない。
「じゃあ、サヨナラ。トリさん」
…え?
私は眼をしばたたき、キリンを見つめた。
「さっき言ったでしょ?僕は人の死ぬとこ見たくないの。だからここまでね。」
そうだった。
確かにそう言っていた。でも…。
「…最後まで…」
「え?」
突風に声が飛ばされる。私は大声で叫んだ!
「最後までいてよ!」
なんで?
なんで私、キリンにいて欲しいの?
わからないけど、キリンに側にいて欲しい!
「なんで?」
それは私たちの唇から、同時に零れた。
「一人が嫌だからよ!」
そうか。簡単じゃない。
キリンが近づいてくる。
「君は僕みたいだ」
私は真正面からキリンの両目を見た。
「着いたよ、トリさん」
眼の前にそびえ立つ立派なマンション。
赤い煉瓦のような外観はどっしりしていて、なかなか豪華。
…確かにぱっと見ただけでも15階以上はありそうだ。
人が通り抜けるのに便乗してすかさず門を抜ける…オートロックの意味のなさを考える時ではないながらも、複雑だった。
「ねぇキリン…さん。どうしてここなの?」
二人きりのエレベーターで…誰に聞かれるわけでもないのに小声になる。
「まあ、着きゃわかる」
ふーん…。
それにしても私、いつの間にか敬語辞めてる。
…だからどうって事ないけど。
躊躇わず1番上の階で降り(なんと23階!)
早足で歩くキリンに追い付く。
「ここ登るよ」
1番端の行き止まりの上を見上げると、屋上に繋がるマンホールがあった…高い位置からしかない梯子を、キリンは軽々登る。重たいマンホールの蓋を開けたキリンが、私に手を差し延べる…これで二回目。
苦労して、ようやく屋上に着いた。
学校と違って、フェンスも何もない。
以外と汚い屋上の縁には鳩がたくさん止まって、不審な侵入者を気にしていた。
気持ちいい?
伸びをして、容赦なく吹き付ける風にむせた。
凄い。
体ごと風に持って行かれそうだ。
ここからちっぽけな学校が見える。
学校どころか、遠くにある山が見える…澄み切った空より青い。
「いいでしょ?」
「うん…素晴らしい」
キリンは微笑んだ。
私も微笑みを返した。
世界はみんな私たちの下にあった。
凍える体も、乱れた髪も気にならない。
「じゃあ、サヨナラ。トリさん」
…え?
私は眼をしばたたき、キリンを見つめた。
「さっき言ったでしょ?僕は人の死ぬとこ見たくないの。だからここまでね。」
そうだった。
確かにそう言っていた。でも…。
「…最後まで…」
「え?」
突風に声が飛ばされる。私は大声で叫んだ!
「最後までいてよ!」
なんで?
なんで私、キリンにいて欲しいの?
わからないけど、キリンに側にいて欲しい!
「なんで?」
それは私たちの唇から、同時に零れた。
「一人が嫌だからよ!」
そうか。簡単じゃない。
キリンが近づいてくる。
「君は僕みたいだ」
私は真正面からキリンの両目を見た。
感想
感想はありません。