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質 問(one

[320]  クイクシルバ  2008-03-11投稿



教室の窓際の席

きみは椅子を
音を立ててひきずる


机に両腕を置き椅子に座り

左手で両目をこすった後
右手に持っていた本を開き読み始めた

窓からの光が
猫背のきみを包み込み






ぼくは机越しに
きみの前に立って質問する


「なにを読んでるの?」


きみは本を読んだまま
その本を持ち上げ
表紙を僕の顔へと向ける

緑色の表紙には
“百日紅の人生”の文字




「“100にち
アカの人生”?」


「、、、ばーか」




腕を下ろし
本読みを再開する


僕は質問する




「あのさ、、、

1年って何秒?」




「、、、は?」





光の差す教室で
僕ときみは計算する


進路相談のプリントの裏にボールペンのインクが染み込む


1分 =60秒

1時間=60分

60秒×60分

1時間=3600秒

3600秒×

、、、



「、、もう
1人で解けるでしょ?
それとも
私が思っている以上に
あんたは ばかなの?

私 本読みたい」



「わかったよ
じゃあ読んでていいよ
100日アカの人生」



「、、、、」





、、、

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